空に染まる白い雲。

「……い、っ」


私は掠れた声で言う。







「私は、嫌い…っ、大嫌いっっ」


こう言わないと…空くん…
きっと離れてくれないから…





空くんはなんでそんな顔で見るの…？


なんで…なんで、そんな困った顔してるの？？











空くんは私を優しく包み込む。



もう…






「……離れてよぅ…っ。」






涙がポタポタ落ちてくる。


私が空くんの胸を押しても
私に力なんてあるわけなく、空くんもどいてくれない。






「白雲は…本当にそう思ってんの？」





…っ



そんなの…違うに決まってるじゃない。
本当は今すぐにでも、抱きしめたいよ…





それで、もっともっと好きになっちゃうから…


でも今から離れればきっと間に合う。









だから



「空くん…離れてください。」

私は涙を無理やり引っ込め
凛と響く声でそう言った。











空くんは…私から





離れて行った。





「…白雲…。」

そう呼ばれるけど…返事はしない。






「じゃあさ…さっき、なんであんなこと言ったんだよ。」


辛そうな顔、辛そうな声でそう言った。