空に染まる白い雲。




「でも内容的には言えない。」

そう続けた。


「そっか…」


腑に落ちない感じだけど、これ以上聞いたらあっちも困っちゃうよね。











「……。」

お互い黙ってしまう。


だけど、なんかいいんだ。




今、握りしめあっている手で

私は安心してるから。



でも、ドキドキしてるのが
私の手から空くんの手に伝わらないか

結構、焦っている。




「なぁ…」

私が空くんから手を離そうとしたら
いきなり話しかけてきて


私は手を離せなかった。







「うん?」

私が返事をする。








「…いや…なんも。」




その言葉に私は首を傾げてしまった。



「…つか、帰らないとな…」



そう静かに言ったが

まったく帰る気のないような感じ。







でも、そろそろ本当に帰らないと
親が心配しちゃうんじゃ……








「ほら…帰らないと、親の人とか心配しちゃうんじゃない?」



でも本当はまだいてほしい。

前みたいに、空くん帰ってくれないかな??





だって、帰らないで、って言っちゃいそうになるじゃん…。





「でもさ…俺が帰ったら…また白雲一人になっちゃうだろ…?」




…っ


なんで…なんでなの…





そう言われたら
私、結構辛いんだよ??