「でも内容的には言えない。」
そう続けた。
「そっか…」
腑に落ちない感じだけど、これ以上聞いたらあっちも困っちゃうよね。
「……。」
お互い黙ってしまう。
だけど、なんかいいんだ。
今、握りしめあっている手で
私は安心してるから。
でも、ドキドキしてるのが
私の手から空くんの手に伝わらないか
結構、焦っている。
「なぁ…」
私が空くんから手を離そうとしたら
いきなり話しかけてきて
私は手を離せなかった。
「うん?」
私が返事をする。
「…いや…なんも。」
その言葉に私は首を傾げてしまった。
「…つか、帰らないとな…」
そう静かに言ったが
まったく帰る気のないような感じ。
でも、そろそろ本当に帰らないと
親が心配しちゃうんじゃ……
「ほら…帰らないと、親の人とか心配しちゃうんじゃない?」
でも本当はまだいてほしい。
前みたいに、空くん帰ってくれないかな??
だって、帰らないで、って言っちゃいそうになるじゃん…。
「でもさ…俺が帰ったら…また白雲一人になっちゃうだろ…?」
…っ
なんで…なんでなの…
そう言われたら
私、結構辛いんだよ??


