空に染まる白い雲。




俺はついうつ向いてしまう。



しかも廊下だから結構声が響く。

でも周りが煩いため、俺たちの会話は誰にも聞こえてない。









はぁ…と、大樹はため息を漏らす。










「未来ちゃんのこと好きなんだよね?」






…え?


は?なんで知ってるんだ??
まだ、誰にも言ったことないのに…








「親友だから、そんぐらいわかる。でも俺も未来ちゃんが好きなの分かってるよね?」







まるで挑発されているようで、俺はイライラする。








そして…





「お前だけが落ち込んでるって思ってんじゃねーぞ…」


小さな消えそうな声で呟いた大樹。









俺は驚いてしまう。


大樹は俺の胸ぐらを掴む。









「お前はずりぃんだよっっ

バスケに…未来ちゃんに…



全部取ろうとすんなっっ」





そう叫び、俺が絶句していると
つまらなさそうに俺の胸ぐらをバンッと離し



去ってしまった。








俺はただただ呆然としているだけだった。











あんな大樹初めて見たんだ…









しかも…


『全部取ろうとすんなっっ』







…俺は何をしているんだろう…。





自分の情けなさに怒りを覚えた。