俺がそう言ったら白雲は大人しくなった。
そのタイミングで看護師が俺たちの病室に来た。
そして、看護師が白雲に近づく
「や、やだぁ…」
涙目で俺に抱きついてくる。
白雲は震えていた。
俺は白雲の背中をさすり
「看護師さん。今は、そっとしてもらってもいいですか?」
看護師に向かってそう言い放った。
看護師は、止まり…
「ごめんなさいね…」
と、謝った。
そして、担当医も
「君だったら大丈夫そうだね。お兄さんに連絡しないといけないから、少し外すよ。」
そう言って俺たちより先にでていってしまった。
その後に、看護師も出ていった。
ーー…俺は白雲に肩を貸し、病室を出た。
俺が連れてきた場所…
病院の屋上。
初めてだが、入っていいらしく
冷静になる場所には適していると思った。
ひんやりとした空気が肌を刺激する。
二人でベンチに座った。
………。
しばらく無言が続く。
それを破るのは……
「…ごめんね」
白雲で…
「いや。大丈夫。」
謝る白雲に俺はそう静かに言う。
「…もう、ダメだね。
私、強くなれないや。
あんな姿みせちゃって…正直、引いた?本当に笑えちゃうよね」
白雲は苦しそうに笑顔を作る。
「ううん。ちがう。白雲は強いよ…
ただ強くなるのはいいけど…、」
「たまには弱くなるところ見せなきゃダメだ。」
俺は、白雲の目を見つめながら告げた。
「しかも、引いてない。そんな無理矢理笑わなくていいよ。」
俺がそう言葉を続けると、
白雲は涙を流す。
俺は涙を流す白雲を抱きしめた。
「やっぱ、私は中身空っぽだな…」
静かにつぶやく白雲に…
俺は白雲から離れ…
「いや!お前を俺で染めてやる!」
いつのまにか、こんな事を言っていた。


