ーー
「ついに、ですね。」
病室には新しい担当医と、俺、白雲がいた。
担当医は、まるで分かっていたかのように告げていた。
「私の…体。もう動かなくなるんですか…?」
難しい顔でそう聞く白雲。
担当医は、一回、眉を下げて
「いえ…
もしかしたら一時的なものかと…
だけど時々こういう事もあるかもしれません。」
と、考えるそぶりを何回か見せながら
「この"病気"のせいですから…」
と、目を伏せていた。
俺は白雲を見ると
俯いていた。
「わ、……は…、ょ……いっ」
かすかな声が病室に響いた。
「え?」
俺はびっくりして、キョトンとしてしまう。
「私はっ病気じゃないっ私だって普通に歩ける!普通の女の子だもんっっ」
そう叫び、波をポロポロ流しながら
ベッドから出た。
フラフラな足を白雲は
無理に動かした。
「おいっ!白雲!」
俺が呼ぶが白雲は全く止まる気配はない。
「私はっっ…私はっ…病気…じゃ、ない…っ!」
ついには、床にドンと倒れ
白雲は自分に言い聞かせるようにそう叫んでいた。
そんな俺はーーー…
ぎゅ……
「え…」
白雲を後ろから抱きしめた。
やはり、小さくて…
今にでも壊れそうだ。
「やっ…いやっ……はなして……!」
白雲は抵抗する。
「離さない。白雲が落ち着くまでこうしてる。」
……こんなことしか、できないから。
白雲…
ごめんな…


