私の体はその時、動かなくなった。
ーー
「ついに、ですね。」
部屋に私、空くん、新しい担当の人がいた。
新しい担当の人は…
私が今日お散歩の時、当たった優しそうな人だった。
だから、名前を知っていたんだと納得。
それより…
「私の…体。もう動かなくなるんですか…?」
真剣に聞く私。
担当医は…
「いえ…
もしかしたら一時的なものかと…
だけど時々こういう事もあるかもしれません。」
と、私に告げる。
「この"病気"のせいですから…」
と、目を伏せていた。
私は俯いてしまう。
なんで…っ
なんで、こんなに神様は私にイジワルするの??
「わ、……は…、ょ……いっ」
掠れた声で私は呟く。
「え?」
空くんがキョトンと声を出す。
「私はっ病気じゃないっ私だって普通に歩ける!普通の女の子だもんっっ」
涙を流しながらベッドから出た。
不安定な足を私は無理やり動かす。
「おいっ!白雲!」
私は呼ばれたが、歩こうとする。
だけど…歩くことなんかできない。
「私はっっ…私はっ…病気…じゃ、ない…っ!」
床にドンと倒れながら私は自分に言い聞かせるようにそう叫ぶ。
だがーーー…
ぎゅ……
「え…」
私を後ろから抱きしめる空くん。
「やっ…いやっ……はなして……!」
私はそれでも、暴れる。
「離さない。白雲が落ち着くまでこうしてる。」
……


