7分の1のスキ。



今思うと、なんか恥かしいな……


でも、ほんと奏太の手って大きかったなぁ…
あたしの手なんてすっぽり入っちゃって………


「ちづる?」

振り向いた奏太があたしの名前を呼ぶ。
呼ばれてハッとなるあたし。

なんか変なの…。


「…な、に?」

「映画、午後からだけど…それまでなにする?」


何しよう……。……というか、

「…ちょっと お腹すいた、かも…」

「ちゃんと朝メシ食べてんの?」

…いや、食べたけど 空くんだよ。人間だもの。
心の中でつっこむ。


「…、まぁ 俺も人の事言えねぇけど…」

ガシガシと頭を掻く奏太。顔は、そっぽを向いたまま。

え。なんだそれ。


「じゃあ…なんか食べにいく…?」

「おう。そーするかー」


歩き出すあたしたち。
いつもと変わらないデート。