「三木くん…もう遅いから帰って?」
5時37分。
もう外は薄暗い。
「大丈夫か?」
「うん、ヘーキ」
「ぁ、…そーだ。明日学校来いよ」
「うん………」
なんか、助けてばっかりで申し訳ない…
なにかお返し的なもの……
そういえば冷蔵庫にチーズケーキあったはず。
「ちょ、ちょっと待ってて!」
そう言ってから急いでキッチンに向かう。
冷蔵庫からそれを取って玄関に走る。
「どした?」
「あの………これ、お礼。いろいろ助けてもらったから。チーズケーキ…」
「………………」
急に黙る三木くん。
「あの…俺………チーズはちょっと…」

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