え……ここ、笑うタイミングですか?
眉根を寄せたあたしに三木くんが
「はは、俺と一緒」
と、笑いながら言った。
ぁ、なんだ。そうゆう事か…
…三木くんもくっつくの、嫌なんだ。
一緒に思っていた、人がいることにわかってホッとする。
「上原、家どこ?」
質問の内容に、思わず目を開く。
「へ?」
びっくりしすぎてまぬけな声が出てしまった。
「俺、カサあるから一緒に入ってこーよ」
…それって、つまり
一緒に帰るということですね?
どうしよう。
奏太に連絡したほうがいいのかな?
…でも、たぶんもう帰ってるよね…?
あたしがウロウロしている間に時間はとても過ぎていた。
しかた…ない。
髪の毛がひろがるよりましだ。
「いーの?あたしなんかと帰って。…三年生の彼女は?」
一瞬固まる三木くん。
「なんで知ってんの?」
「や、だってこの前手繋いで帰ってるの見たもん」
10秒くらい黙ってしまう三木くん。
「………………別れた。」

![無題: 小野寺久子より [修正中]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.778/img/book/genre6.png)
