「ねぇ…?そーた?」
エリカがそう言って俺の手を握った。
俺は
その手をゆっくりと離す。
「そ……うた……?」
エリカは不思議そうな顔をして、俺を見上げた。
全部、
俺が悪い。
こんな、フラフラしてっから……
また、エリカを傷つけてしまう。
でもな?エリカ…
俺はやっぱり、あいつのこと好きなんだ。
ちづるの背中ばっか見てるのは嫌なんだ。
俺はちづるを追い越して、前に立って
あいつを好きでいたい。
雑貨店の中にいる人や、店の前を通り過ぎて行く人。
そんな人達を視界の隅で捉えて、
俺はまっすぐ
エリカの目をみた。

![無題: 小野寺久子より [修正中]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.763/img/book/genre6.png)
