「さむいね…」
「ん、さびーな…」
11月なのにもう息が真っ白だ。
冷たく通り過ぎて行く風が、あたしの露出している肌に刺さった。
その度に、あたしは小さく身を縮ませる。
三木くんと電車を降りたあと、カフェに寄ってから家に帰ることになった。
二人並んで歩く道は、もう薄暗く、
蛍光灯の青白い光だけが目立って見えた。
急に、立ち止まる三木くんがあたしを見る。
「上原、もっと俺を頼ってね…」
「え……」
「俺、彼氏なんだからさ、」
白い息と共に出てきたあたたかい言葉。
やっぱりこの人は、
とても優しい。
あたしはこの人の、こうゆうところに惹かれたのかな…

![無題: 小野寺久子より [修正中]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre6.png)
