ちづるside
なに……あれ…っ
隠しきれない動揺を必死に、押し込める。
観覧車から降りたあたしは、走りながら手で口をこすった。
なんで、あんなことッ……
じわ、と熱くなった目から涙がにじむ。
「……っ」
しばらく走ったあたしは、道にあったベンチに腰をおろした。
あたしの目の前を楽しそうに通り過ぎていく人々。
そんな幸せな光景をみていられなくなって、俯いた。
「……上原?」
____…っ!?
近くから三木くん声が聞こえて、はっとした様に顔をあげる。
ちゃんと、
涙を拭いてから。
「良かったぁー…ちづるちゃんとはぐれちゃったからどうしようって思ってて…」
あたしが顔を上げると、三木くんとエリカちゃんが立っていた。
エリカちゃんは、すぐにしゃがんであたしの手を握る。
「…あれ?奏太は?」
何かに気がついた様に顔を上げたエリカちゃんは、周りをキョロキョロと見渡す。
………つ

![無題: 小野寺久子より [修正中]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre6.png)
