7分の1のスキ。




あたしはなにも言えず、ただ奏太の背中を見つめて歩き続けた。





人混みの中で歩いていたからか、すれ違う人と肩がぶつかってしまった。



……あ、



ぶつかった人は、なんとゆーか…チ、チンピラ…?



なんかよくわかんないけど、めちゃくちゃ怖いんですけどっ!!!


ギロリと睨まれるあたし。



やばい…………



「すっ、すみませんでしたッ!」



と、素早く頭を下げ、奏太の背中をダッシュで追いかけた。



「てめぇ、なにやってくれてんだコラぁぁッ!」

……って、言われるかと思った……



心臓に悪いよ…。




「ぶはっ」



いつの間にか隣で歩いていた奏太が吹き出す。



……え?


「………?…な、に?」


「…いや……」



とか、言いながらも奏太は喉の奥でクツクツと笑っている。



え、怖いこの人。


…なんなの……?




「お前って、ほんとドジな」



奏太が疑問の表情を浮かべるあたしに笑って言った。



…ほら………また……






こんな顔、

初めて見る。