「はぁーー……」
現在六限目。
まじだるすぎる。
授業もまったく面白くねーし…
この時間に飽きた俺は、何か面白いことがないか、と教室を見回した。
あ……
俺の席から少し離れた所に座っている、上原ちづる。
奏太の彼女。
はじめてこんな、しっかり見たな。
上原ちづるも俺と同じように、授業がつまらないのか頬杖をついて窓の外を見ていた。
…なに見てんだ?
俺もちらりと窓の外を見る。
窓の向こう側には、ドス黒い雲。
いまにも雨が降り出しそうだった。
これは絶対降ってくるな……
俺、今日カサもってきて正解。
いつもはバス通の俺は、雨の日だけ歩いて帰っている。
理由は至って簡単。
みんなのカサに着いている雨水が制服に着くのが嫌だから。
だから雨の日はバス通を避けている。
窓の外から上原に視線をもどす。
……奏太と付き合ってて楽しーのかな。

![無題: 小野寺久子より [修正中]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.777/img/book/genre6.png)
