7分の1のスキ。



エリカside



「ねぇねぇ?俺らと遊びに行かない?」


あたしの後ろで、軽ーい声がした。


どうせ、ナンパでしょ……


フン、と小さく鼻で笑って、歩き続ける。


「ねぇってばー?」



「うるっさいなッ!あんたらに付き合ってる暇はないっつの!」…って言いたかったけど、めんどくさくなるのはごめんだ。

必死で苛立つ感情をおしこめる。



「おーい?シカトはねぇだろ?」

しつこいな……

おまけに手掴んできたんだけど。

あぁ、もう我慢の限界。



「ちょっと「ごめん。エリカ…遅れた」」


あたしが男に掴みかかるのを遮るかのように、誰かがあたしの肩を掴んだ。

クラスメイトの、小倉奏太…だっけ?



「チッ、なんだ…男いんのかよ」


そう言ってあたしから離れて歩き去って行く男。

はー…良かった。



「エリカ……」

急に自分の名前を呼ばれて、少しどきりとしてしまった。

小倉奏太を見上げると笑ってこう言ったんだ。




「名前、あってたっけ?」




それがあたしの恋の始まりだった。