7分の1のスキ。




「上原…」



名前を呼ばれると、反射的に顔をあげてしまうのは誰でも同じだろう。


あたしだってそう。

名前呼ばれたら、顔あげちゃう。


だけど、少し違った。


あたしが顔をあげると、すぐ近くに三木くんの整った顔があった。





あたしの唇に三木くんの熱が伝わる。

あたしの体ば硬直して動かない。




三木くんの唇が離れて行ったあと、あたしの唇は涼しい秋風にさらされる。



「おやすみ」


笑いながら言った三木くんは、方向転換をして帰って行った。


あたしも、状況を理解できず

「おやすみ」

と、言って手を振る。