7分の1のスキ。





「上原」




少し掠れた声であたしの名前を呼ぶ三木くん。




「俺さ、上原がまだ奏太の事気にしてても………」


そう言って。



またいつものように、
優しく、

微笑むの。



「好きだよ」


あたしの喉がぐっ、と音を立てる。
涙腺が、
ゆるむ。


わかってるんだね、三木くんは。


あたし、ダメ人間だから…

まだ、奏太の事気にしてるの、
気づいてそう言ってるんだね。



なのに、三木くんの「好きだよ」なんて言葉、もったいなくてもらえない。



「…っ」


泣くな。

そう自分に言い聞かせて、涙を堪えながら俯いた。


「泣くなよ」


ふ、と笑いながら優しく言う三木くんがあたしの頭を撫でる。



「泣いて、…ないよ」

笑おう。

この人の前では、笑わないと。



それと、あたしも伝えたいんだ。



「あたしも、好きだよ」



笑って伝えるんだ。