「お前……。奏太に決まってんじゃん」

「…………別に、お兄には関係ないし。」


お兄はあたしの一言に対して“ケンカした”とわかったのか、固まっていた。

「はーーーーー?…奏太のやろー…誰が手伝ってやったと思ってんだ…」


手伝う……?

お兄はつぶやいたつもりだろうけど、あたしにはばっちり聞こえていた。


「なに?奏太になんかしたの?」

あたしが聞くとお兄は少し瞳を揺らした。


「や、別に……なんでもなぃ……」


絶対なにか隠してる。

聞き返そうと、思った。
けど。



もう、時間っ!やばい遅刻…っ

とあたしの脳内はパニック。

だから学校の準備を優先することにした。