ちづるside
「あの……みきく…ん?」
「んー?」
一体いつまでこの体勢でいるつもりだろう。
あたしは三木くんに抱きしめられたまま言った。
「そろそろ…離して…?誰か来ちゃうよ?」
そう言って三木くんの体を離そうと、軽く押す。
「え!?…あ…ごめん…………つい。」
「つい?」
あたしが聞くと、三木くんが照れくさそうに言った。
「や、………やっと上原とこんな風になれたと思って…あーくそ、恥ずかしいっ…」
ガシガシと頭をかいたあと、あたしの手を取った。
三木くんの大きな手と絡まるあたしの指。
ひゃ……

![無題: 小野寺久子より [修正中]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.761/img/book/genre6.png)
