7分の1のスキ。




呆れた表情でエリカをほったらかし、視線を逸らした。

ドアの隙間からするりと抜ける、体。



今の…ちづる……___…



そう思った途端に、椅子から立ち上がる俺の体。



「奏太どこ行くの?」


部屋を抜けようとする俺を、エリカが引き止めた。

「トイレ」


と、だけ言って部屋を出る。


さっきのは、ちづるだった。



…てゆうか、俺とエリカは、何で付き合ってるんだ…?

俺はエリカの事好きじゃないし、…ただ、断れなかっただけ。


俺の中ではこう、割り切っているけどたぶん最低なことを、俺はしているんだと思う。


トイレに向かうと、女子トイレから出てくる人影に、ぐっと俺の喉の奥が痛くなった。



相手も俺に気づいた様子。



心臓が痛いし…それに、気まずい……