7分の1のスキ。




そう言う三木くんが腕を引っ張る。


その力に振りほどこうとしても無理だと理解させられた。


あたしを引っ張ったまま、みんながいる部屋から少し離れた、誰もいない部屋に連れていかれた。

え………?


部屋の中は暗くて、三木くんの顔がよく見えない。

ぱたん、と閉まる部屋のドア。



あたしと三木くんの息づかいだけが聞こえる。




「上原、ごめん。今、こんな事言うのダメだってわかってるけど…」



そこで言葉を詰まらせる三木くん。

まったく思考が回らず、ただ声を聞く事しかできないあたし。
涙もすっかり引っ込んで、端から見ればマヌケな顔だろう。


「今、上原…弱ってる時だからっ……ごめんッ」



な、にを
言っているの?


なにを
言おうとしているの?


「これ以上、上原の…………そーゆー顔見んのつらいんだよっ」


そう言って、暗闇の中で抱きしめらた。

背の高い三木くんに抱きしめられると、あたしの顔の位置は肩まで達しない。



「みきく……」


「だから…っ、俺が上原を笑わす。…どんな時でも笑わすから……」