7分の1のスキ。







「…っ」



なにも、言えなかった。



声が、出てこなかった。





奏太になにも言えなくなったあたしは、鼻の奥が痛くなるのを我慢しながらその場から
逃げた。





見てたのなら、言ってほしかった。

なんで高弥と帰ってんだ?って。
俺と帰ろう…って。


ぶつかってきて欲しかった。




なんで今になって…っ




早足でカラオケ店を走り回るあたしに、どん、と音を立てながら感じる衝撃。



「…っ、すいませ……__…」




顔をあげると、鼻の奥がさらに痛くなる。それを平気な顔で我慢するあたし。


やばい、泣きそう。



「上原、どうした?」