「そこ座れ」

「…もう、何なのよ?」

椅子に座らされ、

恭治を見てると、

救急箱を持ってきた恭治。

・・・

手際よく、私の頬の傷の手当てを始めた。

「イタッ…優しくしてよ」

顔を歪めながら、恭治に呟く。

・・・

「もう終わるからジッとしてろ」

「ッ!!」

消毒が済んだら、小さなバンソーコーを、

傷の上にペタッと貼り付けた。

・・・

「…で?これの理由は?」

「だから、事故だって言ったじゃん」


「頬に叩かれましたって、書いてある」


「?!・・・そんなわけないじゃない」


「そんなところ、どこにもぶつけ様がないんだよ。

いいからさっさと言え」


「…いや」


「言わないと、このまま押し倒す」


「?!!」