『こんなんしたん初めてー!!』
『やんなー(笑)』
恋嘩と美蘭が小さくなっていく学校を振り返って見つめながらはしゃいだ。
「あ…もしかして親に怒られる〜とかないよな?俺らはえーんやけど。」
俺の横を歩いていた諒弥が、クルッと振り返って、後ろの恋嘩達に問いかける。
『全然大丈夫wな?恋嘩っ!』
『うんwあたしら…親おらんからw』
…どこか影のある笑顔で答える恋嘩。
スラッとでてきたその言葉に、一瞬、間を置いて愁洩が眉をひそめる。
「…は?」
『捨て子やねん…あたし達。』
『親はどこにいるんかもわからんし…』
『ずっと二人で暮らしてるねん。』
『びっくり…するよな?』
苦笑いで、俺らの表情を伺う2人。
…その言葉を聞いて、諒弥と愁洩は顔を見合わせて笑った。
「なんや…俺らと一緒やんw」
『…え?』
恋嘩と美蘭がほぼ同時に声をあげて首をかしげた。
「俺らも捨てられたねん(笑)」
『そーなん?!!』
愁洩の思いがけない言葉に、でっかい声を上げて驚く恋嘩。
「そーやねんw(笑)お前らとまったく一緒w」
「まぁーやりたい放題できっしw」
『そーやったんや…』
ちょっと目線を落として呟く美蘭。
そんな美蘭の頭に、ポンッと手を乗せる諒弥。
「んなしみじみすんなって!(笑)」
「まだ時間あっし…ゲーセンでも行くか!!」
『行きたーい!!!』
『行こw』
4人は近くのゲームセンターへ向かった…
…このときから俺は思った。
こいつは、俺と同じ思いをしてる。
俺だって…すっげえー辛かった。
こいつも…辛かったんやろーな。
俺は、こいつを守ってやりてーと、心からそう思った。