好きになった人、愛した人。

けれど……。


「お前、バイト始めたんだって?」


太一の手が、あたしのカバンをつかんで引き止めた。


全身から汗が噴出す。


「あ、うん。結衣叔母さんから聞いた?」


声が震える。


ドクドクと、心臓の音が太一まで聞こえてしまいそうだ。


「金」