好きになった人、愛した人。

「はい、誓います」


奈生の返事が、教会に響く。


その横顔はたくましく、凛々しく。


あたしは奈生に出会ったころのことを思い出した。


細くて、年齢よりもずっとおさなく見えて、そして消えてしまいそうだった奈生。


ベッドから下りることもできず、ずっとその中で強がりを言っていた。


抱きしめていないと、本当にどこかへ行ってしまうんじゃないかと、不安でいっぱいだった。


でも、今は違う。


しっかりその足で立ち、しっかりとあたしをリードしてくれている。