好きになった人、愛した人。

思わず、緊張で声がうわずってしまう。


借りにでも、これが自分たちの結婚式だと思うと、ペン先も震えた。


「大丈夫、ゆっくり書いて」


奈生が、優しく声をかけてくれる。


「うん……」


ただ、このサインで名字が変わるのだと思ったら、やっぱり少しだけ涙が出た。


「それでは次に誓いの言葉です新郎、奈生さん」


あなたはこの女性と結婚し、夫婦となろうとしています。


あなたは、健やかなときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、そのいのちのかぎり、堅く節操を守ることを誓いますか?