好きになった人、愛した人。

神父さんの言葉に、あたしたちふたりは目をみかわせた。


まぁ、いっか。


ちゃんとした指輪は、また後日ってことで。


「では、新郎。矢原奈生からどうぞ」


「はい」


ペンを手渡され、奈生が名前の欄にサインを書いていく。


少しいびつで男っぽい文字だ。


「続いて、新婦菊田チハヤ」


「は、はいっ」