好きになった人、愛した人。

「もうっ!」


もどかしくて文句を言ったとき、「焦りすぎだろ」と、呆れた声が後方から聞こえてきた。


それと同時に着信が止まる。


あたしは、懐かしい声に、ずっとずっと待ちわびていた声に、ゆっくりと振り返る。


「奈……生……?」


そこには髪を短く切り、健康的に肉付きのよくなった奈生が立っていた。


「よぉ、久しぶり。チハヤ先生」


「奈生……!!」


あたしは思わず奈生に抱きついていた。