好きになった人、愛した人。

「第5位! ナンバー6! 平野あかり!」


あたしのすぐ隣の子がハッと息を呑み、一歩前へ歩み出た。


その横顔は喜んでいるというより、くやしがっているように見える。


あたしだって、ここで呼ばれたらきっとそんな顔をしていただろう。


目指す場所は、ここじゃないから。


悔しそうな表情の子は小さくお辞儀をしてトロフィーを受け取り、言葉少なにステージの横に用意されていた椅子に腰を下ろした。


あたしは、その空席の中でひときわ輝いている大きな赤い椅子を見つめた。