太一の言葉に、あたしはハッとした。


そうだ、あたしは昨日奈生に手術を受けるように進めてきたじゃないか。


少しでも可能性があるなら、それにかけてみるべきだと思ったじゃないか。


「コンテストでも、同じだろ?」


「太一……ありがとう」


奈生の背中を押しておいて、あたしは自分の夢から逃げようとしていた。


「あたし、やってみる。何度でも、チャレンジしてみる。何度ダメでも、チャンスがあるかぎり、それにしがみついてみる」


奈生と同じように。


傷つきながら、挫折を経験しながら、それでもがんばってみようと思う。


「あたし、夢を諦めない!」