「ねえ、ノール。頼んだもの持ってきてくれた?」
「はい。これですよね? さっきの人達に奪われそうになりました。危なかったです」
そう言い終わるとフウに手渡した。
「そうなんだ……ゴメンね。大変なことさせちゃって…」
「いえ、大丈夫です。それよりこれって…?」
ノールは指を指して首を捻る
フウは「これはね…」と言いながら袋の中身を取り出す。
「ちょっと、待ってください……これって」
ノールが、呆れて苦笑いしている中、フウは安心したような顔をした。
「そうだよ。ボクの魔法道具」
「やっぱり…何処でなくしたんですか?」
ノールが、てに持っていたものは、自分が使う魔法道具だった。
「えっとね…寝ちゃって。気づいたら無くなってて…それで、"風"になったのかな?」
「…………知らないですよ……! そんなこと!」
「そ、そんなに怒らなくても…」
「僕は振り回されたんですよ?!」
少し怒鳴るようにして言った。
「"風"だって謝ってるのに……えっ? そうなの?」
他から見れば、一人で話してるように聞こえるだろう。
だが、フウは違う。
「何かおっしゃったんですか? "風"様が…」
「うん。とうとう現れたんだって」
「まさか………」
少しの沈黙…
「…四大が1ヶ所に集まり出す…」
「そして、あいつも現れる…」