「ああ……お前、何処かで見たことある?」
「そうですよ! 僕は少年Aではありません! いい加減に覚えてくださいよ! ノールですよ」
ノールがため息をしながら言う。
「少年Rか…」
「そうゆう問題じゃないです! もう戻ってくださいよ」
ノールが、前半大きな声で後半小さな声で言った。
「……ゴメン。ノール。また、勝手に"風"になってた?」
先程とは全く別人かと思われる発言をしたが、ノールは動揺せずにいた。
「はい。なってましたよ」
「…ここ最近勝手になるんだよね…」
「何かの反応かもしれませんね? あと、勝手にほっつき歩かないですださい。探すの大変なんですよ」
「ごめんなさい…」
まるで、ノールを助けた時とは別人の態度をとるこの少年は……
四大の副リーダー・"風"との契約者……
"フウ"……彼は別人の性格を持っており、契約者の中で……………
………唯一、記憶を持ってる元エルフだった。