一人の少年が、数人の強そうな少年たちに囲まれていた。
「だ、誰か助けて…」
「来るわけねぇだろ? こんなとこ誰も」
「お前が悪いんだぜ? 人の物盗むから」
「僕は何にもやってないって!」
怯えている少年が叫ぶ。
「嘘つけ。じゃあ、それなんだよ?」
少年が大事そうに持っている袋を集団の一人の少年が聞く。
「こ、これは………」
「…集団で、少年Aにいじめか…カッコ悪いな」
突然声のした方を皆がいっせいに振り向いた。
「…"フウ"様!」
そう発すると集団の少年達が、急に逃げ出した。
「…やっと、行ったか……おい、大丈夫か? 少年A」
「あ、ありがとうございます!」