いつの間にやら、スイは気絶してしまったらしい。
目を開けると、ヨワールが居た。
「大丈夫ですか?!」
目を開けた瞬間、心配そうに見つめていた。
「ええ。なんとか…」
「もう、あの子は知ってしまった……」
ヨワールが呟くように言った。
そう言えば、浜辺でもそんなようなことを言っているのを思い出した。
「殿下?」
「あ、いえ…なんでも無いですが…」
途中で話が途切れた。
「このことは、貴女の運命に関わるもの。知っていた方がいいですね」
意味が分からずに殿下の方をスイは、見ていた。
「もしかしたら、貴女はこの運命から逃げられるかも知れないってことですよ」