「では、お話しします」
ヨワール殿下は、そう言うとスイは頷いた。
「何十年もの昔、この地…南の国では何回も続けて大災害がありました。
大災害の正体とは…主は津波です」
「津波ですか……」
「はい。とても激しかったそうです。
その災害は、自然に起きているものでは無かったのです」
ヨワールは、悲しそうに目を閉じた。
「原因は、四大の一人…"水"です」
「あの、四大様が?!」
この地では、四大の力のおかげであると言うことは誰もが知っていた。
「そうです…あの力があれば、この世界は簡単に吹き飛んでしまいます」
「では、何故?!」
「普段は、四大様は、お優しい方です。ですが…」