「この力さえ、無ければ…! 普通に暮らせたかもしれないのに…」
「お前さんに、それが役に立つことが出来るのがある」
エンは、老婆の方を向く。
「ホントじゃよ。わしは、嘘はつかん!」
「ホントか? なんだよ、それ?」
「慌てるな。成功すれば、契約を破棄出来るかもしれん」
「ホントかっ!?」
老婆は、杖を持ち「慌てずともよいと言ったじゃろ」といい叩く。
「まずは、修行じゃ。憎い能力を使うことになるが、お前さんは大丈夫かの?」
空気が、凍る。
「………ああ。破棄出来るんだったら!」
その日から、エンと老婆の特訓は始まったのだった。
「約束じゃぞ!」
「ああ。俺は、契約を破棄し戻ってくる!」
「"炎"が、あの短気な子を選ぶなんてね…こりゃ、面白くなりそうなよ・か・ん♪」
1章 火を操る少年 end……