話終えた老婆は、一息つく。
「…これが、お前さんの父親の事実じゃ」
「父さん…親父は悪いやつだったのか?」
「さぁな。わしは、どちらとも言えぬ。答えは自分で考えるものじゃぞ?」
エンは、舌打ちしながら「そうだな。話してくれてありがとうな」と言う。
「いいんじゃ。お前には話さなきゃいけなかったのじゃ」
ムスッとしながら「そりゃ、どうも」とエンは言った。
「それより…何で今の話、ババアが知ってんだよ? その…女とやらから聞いたのか?」
「まさかな」
「は? じゃあなんで…」
老婆は、少し笑っていった。
「その、女とやらはなわしだからな」