あの日から、1ヶ月がたった。
「おはよう、グミさん」
グミと呼ばれた若い娘は、ビックリしたかのように「…あ、おはようございます…!」言った。
周りにいた村人がこそこそと小さな声で話し出す。
「グミさん…?」
「あ、いえ。ご、ごめんなさい!」
謝っていってしまった、グミを女は追いかけなかった。
嫌な予感がしたからだ。
グミは、あんなに普段はおどおどした性格では無かった。
それだけじゃない、他の村人も普段とは違った。
ある時、食料が無くなりかけたので、村一番の市場に行くことにしたが…
「すいません、これください」
「は、はい! ただいま用意いたします」
肉屋の女店長には、いつもお世話になっていて女は、市場に行くと絶対よって話すのだったが…
「どうしたの? 何時もみたいにご主人の愚痴でも聞くわよ?」
「あ、いえ。大丈夫です! あ、ありがとうございました!」
買ったものを渡されおいかいされた。
「なんか、皆変ね…」
一人で妙に思っていると、新鮮な野菜が揃っている八百屋についた。
「すいませんー! これ、ください」
「あ、あんたか…悪いね。あんたに売れる野菜なんてないよ。とっとと帰んな!」
八百屋のご主人は、いつも気安く優しかったが、今日は違った。
「えっ、何いってんの!? いつもなら、サービスまでしてくれるじゃない!」
「悪いね、帰ってくれ」
怒っているように見え、女は急いでここを後にした。