そんな時、俺の携帯が鳴り出した。

「あれ?俺の携帯どこだ?」

『あっちから、音がするよ』

瑠菜は、俺の携帯が聞こえる方へ行き、携帯を見つけだしてくれた。

「サンキュー。あれ?母さんからだ」

画面に、母さんと表示がされていた。
俺は通話ボタンを押して、耳元に携帯をあてた。

瑠菜はソファーに座り、コーヒーを飲みながら日向の様子を伺っていた。

「もしもし、母さん?どーした?」

『………』

母さんから、返事がない。

「もしもし、かあーさん??」

『……っあ、ごめんごめん。時刻表見てて気づかなかったわ』

ふふふと、笑う母さんに、俺は少しイライラした。

「んで、どーした?」

『いや、あっ、あのさーぁ。今日から瑠菜さんと同棲生活だなぁーって思って』

なんだか、母さんの様子が少し可笑しい。

「今日、瑠菜と二人で片付け終えた」

『あら、もぉー終わったの。早いじゃない』

「まぁーな♪」

『……………』


また、母さんから返事が来なくなる。

「母さん?何かあったのか?」

『………………………………』








この時、着々と、あの女は俺たちの住むアパートへ近づいてくるのでした。