太陽の光


『二組なのかぁ。あっ!!俺は五組ね。
どうりで見ないはずだよなぁ。』

『俺のことは、臨飛ってよんでね。
うーん。俺は、蘭って読んでいい?』

一方的に喋り続ける彼はそうわたしに問いかけた。
はっきりいって男のひとに名前で呼ばれるなんていままでなかったからわたしにとって小さなアクシデントだった。

『はい。いいです…』

『ははっ。敬語じゃなくてもいいよ。
じゃ、そろそろ行くな。
じゃーな。蘭』

『う……うんっ。バイバイ』


彼の後ろ姿を見守って初めてこの学校でまともにできた友達にわたしの瞳は限界で、
暖かいものが浮かび上がって頬を伝う。

ありがとう。


何に対してかは分からないけど、自然と出たその言葉は本当に心の奥のそこからの言葉って感じだった。