―――突如、視界が歪む。地面がぐにゃりと歪曲し、フワフワと宙に浮いている感覚に包まれる。


 あぁ、またあの夢か。
これで一体何回目なんだろう。

 突然、視界が赤く染まる。何度も見た光景だ。酷く滲んでいる視界の先に、不気味に嗤っている誰かが居た。こっちをみて、密かに僕を嘲笑っているようだ。そして、その横にもう一つの人影があった。目が滲んで顔は見えないが、確かに其処に存在していた。そして、そして・・・!
 
その時、もう一度視界が大きく歪む。様々な色が混じりに混じって、視界を真っ暗に覆って行く。 それに 抗うように 手を伸ばしてみても、もう届くはずは無い。



        次の瞬間、劈く悲鳴が 脳に響き渡った。




 僕の目から、大きな雫が溢れ落ちていた。


 あとちょっと、ちょっとだったのに、僕は・・・僕は・・・!


 そして、もう一つの嘆き声が聞こえた。
それに重なる様にして、嘲笑い声が何処からか聞こえていた。