『お風呂入りなさい、だって』 笑いながら言ってるってことが洸人さんの声でわかる。 「お母さんの声、聞こえてるんですか?」 『水希のお母さん声大きいな』 「恥ずかしい…じゃあ…おやすみなさい」 『おやすみ』 あたしは電話を切る。 できればもう少し話していたかったけど。 なんとなく携帯電話を耳から話したくなくて、あたしは天井を見ていた。