目を瞑る。


次に目を開けた時、目の前に洸人さんがいたらいいのに。


そんな訳は無いのに考えてしまう。




好きな曲を口遊むと落ち着く。


ただ何も考えずに髪を風に揺らしているだけ。





「…て、……きて」




音楽に流されていたあたしは呼ぶ声に気がつかなかった。


慌てて目を開けた。




「あ、やっと起きた」




洸人さんがいた。