高校前の最寄り駅にはすぐに着いた。
「ここまででいいです」
「こちらこそ、時間もらってごめんな」
「大丈夫です」
改札を通る手前まで送って来てくれた。
「もしまた会えたら断らないでね」
「会わないです」
「本当はもっと送っていきたいけど、そこまでしたら気持ち悪いだろ?」
「そんな事無いです。ありがとうございました」
「じゃあね」
少し笑ってこっちを見る人。
普通ならもう好きになっているくらい。
改札を通った時、あたしは思い出した。
男の人の名前を聞いてない。
どうしても聞きたくて、あたしは振り向く。

