君と金魚、夜






一瞬顔が曇って、でも元に戻る。


この人、顔は綺麗で、まつ毛だって長いのに、瞳は少しくすんでいる。


それがまた綺麗。


こんな綺麗な人があたしに寄りかかって来たんだ。




「とにかく、ありがとうございます」




丁寧に頭を下げる男の人。



自分のために、好奇心のためにこの人を助けに来たのに。


申し訳ないと思いながら、踏み出せた数時間前の自分を褒める。