君と金魚、夜





「女は泣けば逃げれるから楽だよな」



海先輩が言い放つ。


今までのどんな時よりも冷たい。



「それでも…」


「何?」


「あたしが消えても変わらないです」


「それでも消えろよ、いらない」


「それに…あたしが消えたとしても洸くんに会社を継ぐ気はない」


「だから?」


「海先輩が全部奪えばいいじゃないですか、後継にもなればいい、洸くんもそれを望んでる」


「軽々しく言うなよ」


「あたしは海先輩なら出来ないことはないって思ってます」


「無理だよ」


「どうして…」