海先輩があたしから離れる。 「俺兄貴嫌いだからやめてくれる?兄弟だからどうとか比べるの鬱陶しいよ水希ちゃん」 「どうして?」 「出来損ないの兄のために俺がどんな想いして来たかなんてお前に分かる訳ないから言わない」 「え?」 あたしは意味がわからなかった。 でも海先輩が洸人さんを好きじゃないことはすごく伝わる。 「俺は兄貴の話するために呼んだわけじゃないからね」 「すみません」 「今度こういう話するなら水希ちゃんを俺の視界から追い出すから」 そう言うと海先輩は机の上に座る。 「帰れ」