「……」
二人で黙ってしまう。
こういう時、二回好きって言っていいのかな。
「あの、す…」
「あーもうこんな時間だし、駅まで送るよ」
「え?」
「帰ろうか」
「それって…どういう…」
「水希、駅まで送るから。親も心配するだろうしほら」
明らかに無視されている。
あたしの言葉が聞こえなかったみたいに立ち上がる。
「え、洸人さん」
「ん?」
「いや、えっと…なんでもないです」
洸人さんがあたしの言ったことを無かったことににしようとしているのが分かって何も言えなかった。
気づいたらもう駅だった。
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