どうして、私。


冗談が通じないんだ…。


「ごっごめん!泣くなよー!」

私の異変に智美ちゃん達も気付いた。


「どうしたの?美佐ちゃん!」

智美ちゃんが、慌てて私の顔を除きこむ。


「ごめんね!だ、大丈夫だからっ!」


「武司!女泣かすな!」


責めないでよー!


勝手に泣いたの私。


「冗談言い過ぎたね!俺。」


ハンカチで鼻水押さえながら、笑ってみせた。


「そんな事ないよ!」


心の中は、まだ晴れてはいなくて。


でも?


自分でもどうして?


涙が出たのか。


分からないんだ。


こんな時に、泣くなんて!


こないだかず君の入院した日に泣いた私を、助けてくれた武司君。


武司君の前ではいつも、笑顔でいたかったのに。


最悪…。


今度は、入れ代わりで、


渓君が横に立つ。


「泣き虫だなぁ。」


「そうだね?武司君の一言に、一喜一憂してるよ!トホホだよね。」


武司君に気付かれないように、話した。


「案外?今の!武司…効いたかもなっ!」


「…?」


「女に泣かれるのは、俺も困るけど美佐ちゃんの気持ち、分かっちゃったかも?」


「そんな!だって鈍感なんでしょ?」


「さぁー?!」


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